米国テロ事件を引き起こした国際政治の背景

 

     冷戦構造:自由主義対共産社会主義

     グローバル化:IT技術の進歩

     西欧文明の広がり:国特有の文化文明(国家のアイデンティティイ)喪失の危機

     民族、宗教、言語等をベースとするナショナルアイデンティティイの再構築の始まり

 

サミュエル・ハンチントンの文明の衝突(※1文明の衝突と21世紀の日本 集英社新書):文明の衝突とはグローバルな広がりをもった種族間の紛争である(n137)

     冷戦の終焉は、市場経済と民主主義を軸とした「グローバルな国際社会の一体化が進む」というものではなく、むしろ「数多くの文明の単位に分裂してゆきそれらが相互に対立、衝突する」といった新しい流れを生み出した。

     冷戦後民族間の違いはイデオロギー、政治、経済の違いから人間としての最も根源的な違いである祖先、宗教、言語、歴史、価値観、制度、習慣などに関連して自分たちを定義づけるようになった

・世界の主要文明

西欧文明    東方正教会文明(ロシア、東ヨーロッパ)

日本文明    ◎イスラム文明         ◎中国儒教文明

ヒンドゥー文明    ラテンアメリカ文明    アフリカ文明

     世界は上記の8つの文明を軸に多文明世界となる。

     異文明間の紛争は2つの形をとる(n138)

1、文明の断層線での紛争:異文明の隣国同士または1国の中に異文明の集団が存在するときにおきるもの。

ビンラディンがアメリカと戦う目的

・アメリカの影響力を中東から排除することだが真の目的はアメリカ排除によりサウジアラビアやエジプトの親米政権を打倒し中東にイスラム主義に基づく統一国家を樹立することである。(※2文藝春秋11月特別号ビンラディンは好青年だったより)

2、中核国家の紛争が異文明の強国の間に起きる。

 

 

 

 

 

文明の衝突理論批判

立花隆(※2自爆テロの研究)

     今読まれるべきは文明の衝突よりトインビーの「現代社会が受けている挑戦」であると思う…

トインビー:世界国家をつくる→アメリカ型社会を作る

ハンチントン:多文明世界をつくる→アメリカ型社会形成の否定

     ジジェク(現代思想11月特別増刊号 現実界の砂漠にようこそ)

文明の衝突とは実際はすべてグローバル資本主義に関係したものであり文明本来の性質によるものではない。